11/13(土)大津百町館にて、『カモの観察会in大津』を開催しました。
大津ゆかりの芸能である常磐津・落語を、毎週土曜日4週連続でご覧いただけるイベント「大津芸能倶楽部・秋の芸能文化祭2021」の最終公演を、本日、大津百町館・大広間にて開催しました。
最終公演は、落語作家として活躍するナツノカモさんと、音楽家の太田光昴さんのお二人に出演いただきました。
普段、会員限定の会として東京で公演されている『カモの観察会』を、今回は特別に、一般の方でもご覧いただける創作落語公演として、大津で開催いただきました。
また、ナツノカモ作品のほとんど全ての音楽を手がけられている太田光昴(おおた・みつる)さんにもご参加いただき、生で歌やギターを披露いただきました。
本日の番組は、
『ずけもじ』ナツノカモ
『桶屋の恋文(”おけや”の”こいぶみ”)』ナツノカモ
〜休憩〜
『よたたぬ』ナツノカモ
『着物を脱いだ渡り鳥』太田光昴
でした。
『ずけもじ』ナツノカモ
いろんなことを考えすぎて、つい”もじもじ”してしまう女性が、堂々として何でも”ずけずけ”言える女性の元へ相談に行くと・・・というお話。
創作のきっかけ
「女性同士がメインの会話が古典落語にはない」という気づきから。
お客様の感想
「物をはっきり言えない気持ちを代弁してくれて、スッキリしました。笑」
『桶屋の恋文』ナツノカモ
ある桶屋の職人が、町一番の娘に恋するあまり、元気がなくなり、仕事が手につかなくなってしまった。そこで、桶屋の親方が職人仲間を集めて、どうすれば元気になるか、相談を始めるのだが・・・というお話。
創作のきっかけ
「『紺屋高尾(こんやたかお)』や『幾代餅(いくよもち)』という古典落語が描いていない”恋を応援する側”の物語を描きたい」という想いから。
お客様の感想
「桶屋のタケさんが恋したことを親方に話したのに、親方が変な話をしたのが面白かった」
(モニターの小学生の感想)
『よたたぬ』ナツノカモ
与太郎(よたろう)が、かぼちゃを売りに町へと出かけたのだが、なぜか山の近くまで来てしまっていた。あたりを見回すと、狸の子がワナにかかって動けなくなっていて・・・というお話。
創作のきっかけ
「古典落語によく登場する『与太郎』と『狸』がもし出会ったらどうなるのか?」という興味から。
お客様の感想
「与太郎の、言い方をボケるところが面白かった。」(モニターの小学生の感想)
『着物を脱いだ渡り鳥』太田光昴
ナツノカモの自伝的小説『着物を脱いだ渡り鳥』をテーマに太田光昴自らが作詞・作曲した曲を、ギター演奏とともに歌っていただきました。
※小説『着物を脱いだ渡り鳥』とは・・・
2020年、亜紀書房のwebマガジン「あき地」にて連載された、落語作家・ナツノカモの自伝的私小説。連載終了後、書籍化された。
詳しくはこちらから
(書籍の販売ページへ飛びます)
お客様の感想
「『着物を脱いだ渡り鳥』を読んでいたので、生演奏が聴けてとてもよかったです。」
全体を通じて・・・
落語を見るのが初めての方から、十数年落語を見てこられた方まで、いろんなお客様にご来場いただきました。
「演出・内容ともに良く、また見たいです。」「小説を読んで一度ナツノカモさんを観たいと思っていたので、念願が叶いました。」という嬉しい声をいただきました。
また、モニターで参加してくれた小学生の兄弟(夏の芸能ワークショップで、ナツノカモさんからコントの稽古を受けた子供たち)も来てくれました。コントとはまた違うナツノカモさんの落語をとても楽しんでくれたようでした。
【次回予告】
来月12/11(土)14 時から、冬の特別公演「積恋雪関扉”噺”(つもるこい・ゆきのせきのと・ばなし)」を開催いたします。
会場は、大津・逢坂の関近く、”奏美ホール”(滋賀県大津市御幸町6−9)です。GoogleMap<https://goo.gl/maps/BUXzmGhG67NHUQqs6> ※最寄り駅は、JR大津駅(JR京都駅から9分)or京阪上栄町駅 (三条京阪駅から18分)
積恋雪関扉"噺"とは、大津・逢坂の関が舞台の名作歌舞伎「積恋雪関扉」をモチーフに、落語作家・ナツノカモさんが書き下ろした3つの落語と、常磐津菊与志郎さんが編曲した常磐津のコラボ作品です。
出演は、瀧川鯉丸さん、三遊亭花金さん、ナツノカモさん、常磐津佐知太夫さん、常磐津菊与志郎さんの5名の方です。
入場料は、大人2,500円、高校生以下1,500円。
ご予約の方はこちら
皆様のご予約、お待ちしております。
落語と常磐津でつむぐ新たな恋の物語を、芸能の街・大津で、ぜひお楽しみください。
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【歌舞伎「積恋雪関扉」の紹介】
ある冬の日、逢坂の関は、雪が降り積もり、辺り一面雪景色となっていました。そんな中、満開に咲く桜の木がありました。雪の中咲き誇る不思議な桜を眺める人の元に、ある女の人が訪れて・・・。
江戸・天明時代、初代中村仲蔵によって演じられ、歌舞伎舞踊の傑作として現代に伝わっている作品です。
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